パスタ=スパゲティ・・・?
小牧文子 赤絵耳付皿(手付プレート)
小谷真三 倉敷ガラス グラス
今日の昼のまかないは明太子のクリーム“パスタ”でした。家に持って帰ってフライパンでもう一度温めていただきました。赤絵の器は小牧文子さんのプレート。赤絵がかわいらしい好きな器のひとつです。小牧さんは手捻りで作品を制作され、やわらかい雰囲気と軽快な赤絵の絵付けで、楽しんで料理が盛りたくなるような器を作られます。
“パスタ”を食べていますと、今から思い返しても面白おかしくて恥ずかしいような出来事がありました・・・今から20年前、私はたん熊北店に勤めさせていただきながら大阪の調理師学校へ通っていました。イアリア料理の授業でのこと。当時大阪で人気のイタリアンレストランのシェフを招いての講習がありました。テーマは“パスタ”。「“パスタ”ってなんやねん・・・?」。そのころの私はど田舎の信楽から都会へと出てきた“田舎もんのタヌキ”でイタリア料理といわれても、ピザか“スパゲティ”しか知りませんでした。一緒の調理班だった埼玉県出身のM野君と千葉県出身のY川君は「やっぱ、イタリアンっていえば“パスタ”だよね~、なあ林田。」といいます。でも私は“パスタ”を知りません。しかしここで「なあ、“パスタ”って、なんやねん?」てなことを言えば、「な~んだ、やっぱ田舎もんじゃん!!」って思われてしまう…田舎もんのくせに見栄だけはいっちょ前で、解りもしないくせに「そやな~、やっぱり“パスタ”やな~!!」・・・先生が作ってはるものを見てますと、「なんや、“スパゲティ”ちゃうんかいな・・・?」。しかし、私の知っている“スパゲティ”は信楽の喫茶店で食べていた、焼いた一人前の鉄板の器の上にミートソースかケチャップのナポリタンの“スパゲティ”がのせてあって、脇に卵をポンっと割ってあるものでした。でも先生の作られたものは、ミートソースもケチャップも鉄板もありませんでした。
出来上がった“パスタ”を試食。「なんやニンニクが効いてて美味いなぁ!!」初めて口にしたそれは、浅利とニンニクと唐辛子を使った“ボンゴレ”といわれるものでした。先生が「是非うちの店に食べにいらっしゃい!今日の生徒さんや言うてもろたら、サービスしまっせ!!」と、いかにも大阪人らしい“営業”をかましていかれました。私らの調理班は、まんまと先生の“術中”にはまり、その日の夕方お店へ伺うことに…メニューを見てても何か解りません…「ミートソースもナポリタンもあらへんやんけ・・・」。仲間たちはどんどんメニューを決めていきます。「林田、何にする?」。「こりゃ~やばい!!恥かくやんけ~!!」。そこで私は「昼の授業のとき先生が作らはった浅利のヤツ、あれホンマに美味かったし、もっぺんあれ食べたいわ!!」と、何とか当たり障りなく、無難に逃げれる方法をとっさに考えてその場をしのぎました・・・。が、食べる時になりますと、みんなスプーンを使って(クルクルと)やるではありませんか・・・「“パスタ”って、こないして食べるもんなんや・・・。」
あとで、当時親しくしていたお姉さんに「“パスタ”と“スパゲティ”って違うもんなん?」と、あった出来事を話してききますと、大笑いされて「そんなもん、一緒やで!!」。そんなら一緒に行ってご馳走したげるとのお誘いに甘えてイタリアンレストランへ。スプーンを使って慣れない手つきで“パスタ”を食べようとしますと、「イタリア人の男は、誰もスプーンみたい使こて食べへんで!!もっと男らしいガァーっと食べな!!」といわれてしまいました。
今でもM野君とY川君とは、年賀状だけですがお付き合いがあります。一度、私が東京へでも行った折には、お二人に連絡させていただいて懐かしい話でもしたいものです・・・。
ホンマに恥ずかしい笑える話ですわ・・・。
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