野守り山守り
渡辺愛子 信楽掛花入 銘『十六夜』
御近所さんのトシユキちゃんは、御厚意でうちの庭の手入れや店の周りの草刈りをしてくださってます。他にも田んぼや畑を耕したり、いわゆる(野良作業)を楽しみながらされているおっちゃんです。そのトシユキちゃんが「ヒロキ~、山いったらよ~、“あけび”あったさけなぁ、採ってきちゃってんけど、使うけ~?」と届けてくださいました。「トシユキちゃん、いっつもすまんこっちゃわ!」とありがたく使わせていただきました。カウンターの後ろの柱に掛花入を掛けて活けてみました。
(バカっと)口の開いた実を正面に向けて蔓や葉はそのままで。この季節、山へ草花を取りに入ってあけびを見つけますと、鳥との競争です。前の日に「まだ口開いたらへんなぁ・・・。」と思って翌日行くと、すでに鳥たちが「お先ぃです。。。」と啄んでしまっていることが多々あり、悔しい思いを何度したことでしょう。野趣あふれるあの(甘味)は、山の中でしか味わえない格別なものです。掛花入は渡辺愛子さんの作品。大茶人・松永耳庵旧蔵の備前花入『十五夜』を写したもので、私は十五夜の次ですので『十六夜』と銘をつけました。
“野守り”のトシユキちゃんの次は、“山守り”のみよちゃんです。「ヒロキさ~ん、採ってきたで~。」と大きな袋いっぱいに“香茸”を採ってきてくださいました。みよちゃんはきのこ採りの名人。いっしょに山へ入ってもきのこを見つけるのが早い!はやい!!「ヒロキさん、ほれ、そこよ、そこやんか!!」と言われるのですが、「そんなん、わからへんわ~。」先陣切って歩く私ですが、みよちゃんには負けてしまいます。
今日はあまりにたくさんでしたので、乾燥さすことにしました。天日干しをして保存し、使うときは水でもどします。干すことで(旨味)が凝縮するのは椎茸もいっしょ。晩秋から初冬にかけて鶏といっしょに炊き込みご飯にしたり、炊き合わせの一品にしたりします。
トシユキちゃんもみよちゃんも、うちの常連さんで魚仙のファン。皆さんに支えていただいてこその魚仙やねんなぁ・・・と、あらためて感謝の気持でいっぱいになりました。「おおきになぁ、トシユキちゃん、みよちゃん。」本当にありがとうございました!!
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