銘『裂ケマクル』
澤清嗣 信楽蹲(うずくまる)
銘『裂ケマクル』
六月の終りに、お茶人さんの御席がございました。軸は六月の嵐山を詠んだ歌と、冷泉家の七夕の催しを描いた画を表装したもので、六月の中頃から七夕まで掛けられます。山へ入って使えそうな草木を探しに行きますと面白い枝ぶりに青々とした葉っぱのついた山帰来をみつけました。これを真にしてお客様にいただいた“ほたるぶくろ”を挿すことにしました。
山帰来の枝を生かして葉っぱを巻きつかせるように添えました。残った枝とほたるぶくろをあしらって。花を入れるときは、決まる時はパッと決まってすぐに入れられるのですが、ダメなときは何度やってもピタッと決まりません。この日は2分ほどで出来てしまいました。枝ぶりのいい花木に出会えるとそういうものです。料理にも同じことがいえるのではないでしょうか?
花入は澤清嗣さんの蹲(うずくまる)。焼成中に窯から“引き出し”た作品で、急冷により生じた鮮やかなビードロが清涼感を醸しだし、梅雨時期に涼を添えてくれます。澤さん独特の“割れ”や“欠け”をも“景色”とした作品で、ある陶芸雑誌が企画した座談会でこの蹲を手にして見た陶芸家の鈴木五郎さんが「澤さん、これは“うずくまる”じゃなくて、“裂けまくる”だなぁ。」と言われたそうで、この蹲が大好きだったⅠ編集長が「ハヤシダさん、こいつの銘は、『裂ケマクル』に決まったからね!!」と嬉しそうにおっしゃっていたのを思い出します。
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コメント
ご無沙汰しております。
こちらの花入れは見覚えがあります!
林田さんの所有物でいらっしゃったんですね。
しかも、なんという瑞々しさのあるお花かと…!はまりました。。
投稿: ソノ | 2010年7月 8日 (木) 15時49分
ソノ様
こちらこそご無沙汰いたしております。
ご活躍のお噂はこちらの耳にも届いております。
そうです。例の雑誌の信楽若手作家の座談会の時も、この蹲が座の真ん中に置かれてましたね。ソノさんがトンボ帰りしてこられたこと、思い出しました。
またお近いうちに・・・。
投稿: 阿閑亭 | 2010年7月 9日 (金) 08時28分